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認知症認知症

認知症とは、いったん正常に発達した認知機能が、脳の器質的障害によって持続性に低下し、日常、社会生活に支障をきたす状態です。

現在、我が国では、65才以上の10人に1人、85才以上では3~4人に1人が認知症です。2010年の認知症人口は200万人を越えており、2020年には325万人に増加する見込みです。

認知症の症状は、大きく分けると、中核症状BPSD(behavoirable and psychological symptom of dementia)=行動心理症状の2つにわけられます。

中核症状は、記憶障害、見当識障害(ここはどこ?わたしは誰?)失語(言葉が分からない、発せられない)失行(マッチで灯がつけられないなど)、失認(部屋がどこかわからないなど)遂行障害(家事ができない)などです。

行動心理症状(BPSD)は不眠、徘徊、幻覚、妄想、うつ症状、興奮、暴力、不潔行為、異食、過食、依存などです。

当然介護が必要となりますが、介護側としては、BPSDがやっかいです。

代表的な認知症は、アルツハイマー型認知症、Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症(Pick病など)、脳血管性認知症の4つです。脳血管性認知症以外は変性性認知症です。アルツハイマー型認知症は頭頂葉から側頭葉、Lewy小体型認知症は後頭葉、前頭側頭型認知症は前頭葉から側頭葉の器質的障害が原因です。脳血管性認知症は、脳出血や脳梗塞によるものです。

その他の認知症には、外科的治療可能な認知症もあり、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などがあります。いろいろな脳炎や脳症も認知症の原因となり、甲状腺機能低下症も原因としてあげられます。



- 『病気がみえる』vol.7 脳・神経より引用 -

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- Journal of Neurological science 196:63-69,2002より引用 -

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アルツハイマー型認知症アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、65才未満に発症したものをアルツハイマー病と呼び、65才以上で発症したものをアルツハイマー型老年認知症と呼びます。認知症の中で最も多く、主な障害部位は頭頂葉から側頭葉で、物盗られ妄想が特徴的症状です。女性に多く男女比は1:2です。

原因は、神経細胞外にアミロイドβ蛋白が蓄積(老人斑) し、さらにリン酸化されたタウ蛋白が神経細胞内に出現し(神経原線維変化)、アイミロイドβ蛋白が細胞外から、タウ蛋白は細胞内から、神経細胞を障害し、神経細胞を消滅させるという説が有力です。アミロイドβ蛋白はアルツハイマー型認知症が発症する20年前から蓄積し始めることが分かっています。
診断は、MRIで側頭葉内側(主に海馬)の萎縮を確認すること(VSRAD)です。SPECTやPETでは頭頂葉から側頭葉の血流低下を認めます。また、最近ではPETでアミロイドβ蛋白の蓄積を確認することができ、より早期から診断が可能となっています。MCI(軽度認知機能障害)アルツハイマー型認知症の前段階で発見可能となりました。また、髄液検査で、髄液中のアミロイドβ蛋白の低下とタウ蛋白の高値を確認することができます。

治療に関しては、まだ根治療法は確立されていません。日本では認知機能低下の改善を期待してコリンエステラーゼ阻害薬のドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ、イクセロン)の3剤とNMDA受容体拮抗薬のメマンチン(メマリー)が認可されています。認知機能に関わる神経伝達物質にアセチルコリンがあり、アルツハイマー型認知症では、アセチルコリンが著明に減少するため、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンの量を増やすのがコリンエステラーゼ阻害薬です。また、アルツハイマー型認知症では、神経伝達物質のグルタミン酸が過剰となり、NMDA受容体に作用し神経細胞を障害します。このNMDA受容体とグルタミン酸の結合を阻害するのが、NMDA拮抗薬のメマンチンです。これらの薬によって認知機能の低下を遅らすことはできますが、完全に止めることはできないのが現状です。

しかし、現在、アミロイドβタンパクやタウを標的とした根本的治療薬の開発が急速な勢いで行われており、今後に期待がもたれます。
そうすれば、アルツマイマー型認知症を早期に発見し、早期治療する意義が大きくなると思われます。新薬の開発に期待しましょう。また残念ながら、現在アルツハイマー型認知症に対する脳表に電極を埋め込むような外科的治療は存在しません。



- PETのアミロイドイメージング ※病院の検査の基礎知識より引用 -
MCI=mild congnitive impairment 軽度認知機能障害

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- 『病気がみえる』vol.7 脳・神経より引用 -

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- 『病気がみえる』vol.7 脳・神経より引用 -

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脳血管性認知症脳血管性認知症

脳血管性認知症は、いわゆる脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)によるものと、脳卒中の範疇には入らない微小脳血管障害(多発性ラクナ梗塞、微小出血、Binswanger病)、低灌流状態によるものを含んでいます。脳の障害部位は様々です。

症状は、運動麻痺や感覚障害、言語障害などを伴う場合があります。物忘れの程度はアルツハイマー型認知症より軽度です。泣いたり笑ったり情動失禁がしばしばみられます。

診断はMRIで梗塞や出血などを確認します。

治療は、脳梗塞(多発性ラクナ梗塞を含む)の再発予防としての抗血小板剤や、脳内出血(微小出血を含む)に対する血圧コントロールなどです。アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の混合型も存在し、その場合は両方の治療が必要です。





- 『老年期認知症研究会誌』vol.18 2011 より引用 -

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Lewy小体型認知症Lewy小体型認知症

Lewy小体型認知症は、進行性で変動する認知機能障害と、ありありとした幻視(知らない子供が部屋で遊んでいる)などの精神症状とパーキンソニズム(無動、固縮、姿勢反射障害が初期からみられ、振戦は目立たないことが多い) を呈する疾患です。病理ではLewy小体を大脳皮質に認めます。(パーキンソン病ではLewy小体は脳幹(特に中脳黒質)に限局します)

アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の次に多く、認知症の約20%です。男性に多い疾患です。

診断はMRIではアルツハイマー型認知症に比べて、側頭葉内側の萎縮は軽く、SPECT、PETで後頭葉の血流低下を認めます。後頭葉は視覚に関わる部位であり、そのためありありとした幻視がでやすいと思われます。

治療は認知機能低下に対してコリンエステラーゼ阻害薬を投与し、パーキンソニズムに対してL-dopa(ドーパミンの不足を補うため)を投与し、幻視などの精神症状に対して抗精神病薬を投与します。アルツハイマー型認知症と同様に根本的治療はなく、対処療法です。



- 『病気がみえる』vol.7 脳・神経より引用 -

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前頭側頭型認知症(ピック病など)前頭側頭型認知症(ピック病など)

前頭側頭型認知症は、人格変化(脱抑制((物を盗んだりします))、感情鈍麻、自発性低下など)、行動異常がみられ、病識は欠如し、あっけらかんとして<我が道を行く>行動をとります。

また、反復言語(同じフレーズを繰り返す)、反響言語(相手の言葉のオウム返し)も特徴です。最終的には無動、無言となり寝たきりになります。病理ではPick球が特徴的です。発症は40~60才台で、認知症全体の2%です。Pick病が前頭側頭型認知症の8割を占めます。

診断はCT、MRIで、前頭葉、側頭葉の萎縮を認めます。萎縮が目立たない時期でも、SPECTやPETで前頭葉、側頭葉の血流低下を認めます。

治療は、対処療法で、介護が最も困難な疾患です。



- 『病気がみえる』vol.7 脳・神経より引用 -

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医院概要 医院概要

医院名 おおくぼ脳脊椎クリニック
診療科目 脳神経外科・内科
住所 茨城県土浦市並木5-4079-1
電話番号 029-832-8732
診療時間 日祝
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15:00~18:30 - -
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