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骨粗鬆症骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨強度が低下し、骨折のリスクが高くなる骨の障害です。骨強度は骨密度と骨質で決まります。骨密度が70%、骨質が30%です。骨粗鬆症の患者は日本でも1000万人を越えている(2013年で約1300万人)と言われています。骨粗鬆症で問題なのは、胸腰椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折などで著しくADLが低下し、ひどい場合は寝たきりになると言うことです。骨粗鬆症を早期に診断し、早期治療を開始することは非常に重要と思われます。

骨粗鬆症は骨のリモデリングの破綻により起こるとも言われます。では、骨のリモデリングとはなんでしょうか。古くなった骨組織が破壊吸収され、新たな骨が形成されることが骨のリモデリングです。骨の恒常性は、骨破壊と骨形成の絶妙な動的バランスの上に成り立っています。

骨吸収から骨形成の1サイクルは3~6ヶ月であり、約2年で全身の骨は作り替えられます。骨破壊を担っている細胞が破骨細胞であり、骨形成を担っているのが骨芽細胞です。破骨細胞だけが暴走すれば骨はどんどん脆弱化します。骨粗鬆症は、骨のリモデリングの絶妙なバランスの破綻により引き起こされます。

骨粗鬆症と関係性のあるホルモンは、エストロジェン、アンドロジェン、副甲状腺ホルモン(PTH=parathyroid hormone)などです。エストロジェンは破骨細胞の働きを抑え、骨吸収を押さえます。アンドロジェンは骨芽細胞に作用し骨形成を促進します。女性は閉経後エストロジェンが急激に減少し、破骨細胞の抑制が外れ暴走するため骨量が減少します。

女性の閉経後に骨粗鬆症が多いのはそのためです。副甲状腺ホルモン(PTH)は破骨細胞と骨芽細胞の数を増やし、骨吸収、骨形成ともに亢進させる働きがあります。

しかし、持続的に副甲状腺ホルモンを投与すると、骨吸収>骨形成の状態となり骨量は減少します。完結的な投与では骨形成が促進され、骨強度が上昇することが知られ臨床応用されています。 また副腎皮質ホルモンのステロイドは骨吸収を促進することが分かっています。

骨は主にCa(カルシウム)とP(リン)で出来ており、Caが不足しても骨粗鬆症の原因となり、活性型ビタミンDは小腸からCa、Pの吸収を促進します。Caの1日必要量は800mgです。

骨粗鬆症の診断は、若年成人の骨密度平均値(YAM=young adult mean)よりどの程度低下しているかにより診断されます。80%以上が正常で、70%以上80%未満は骨量減少、70%未満を骨粗鬆症と定義されます。測定法には単純X線、CT、超音波などを使った方法があり、単純X線を使ったDXA法、SXA法、RA法、CTを使ったQCT法、超音波を使ったQUS法などいろいろありますが、当院ではSXA法を行っております。

骨粗鬆症の判定には、尿検査や血液検査で骨代謝マーカーを調べることも重要です。骨代謝マーカーには、BAP、PINPなどの骨形成マーカー、DPD、NTX、CTX、TRCP-5bなどの骨吸収マーカー、骨マトリックス関連マーカーucOC、ペントシジン、ホモシスティンなどがあげられます。

骨粗鬆症の治療は新しい薬剤の登場によって、作用機序の異なる薬を使い分ける事が可能になり、患者さんの生活背景や嗜好にも対応した薬剤の選択が可能になってきています。

骨粗鬆症の治療薬としては、活性化ビタミンD製剤(エディロールなど)、選択的エストロジェン受容体モジュレーター(=SERM)、ビスフォスフォネート製剤(ベネットなど)、副甲状腺ホルモン薬(テリボン週一皮下注、フォルテオ連日皮下注)、抗RANKL抗体(プラリア)などがあげられます。ビスフォスフォネートは破骨細胞をアポートシスさせることで、破骨細胞の働きを抑制し、骨吸収を抑制することで骨密度を改善する薬です。

副甲状腺ホルモン薬テリパラチドは、骨芽細胞、骨細胞の分化を促進し、骨密度、骨質の双方を回復させる薬であり、ビスフォスフォネートより骨折抑制効果は明らかに優性であるというエビデンスが出ています。

デノスマブは分子標的薬で、破骨細胞の成熟に必要なPAMKL(破骨細胞分化促進因子)を標的とし、破骨細胞を除去し、骨吸収を抑える薬です。現在検討されている新規治療薬としてはカテプシンK阻害薬があり、これは破骨細胞をアポートシスさせたり、破骨細胞を除去したりせず、破骨細胞数を維持し、破骨細胞から骨芽細胞、骨細胞への情報伝達が阻害され、新たな骨形成芽行われることを阻害せず、破骨細胞から出るカテプシンKという骨基質たんぽく質を分解する酵素を阻害することで骨吸収を抑制する薬です。

また、新規骨形成促進薬として抗スクレロチン抗体、抗DDK抗体も注目されています。スクレロチン、DDKは骨細胞から骨芽細胞の分化、活性化のために放出されるLrp5/Lrp6と結合し骨芽細胞の分化や活性化を阻害する物質です。これさらに阻害する抗体が抗スクレロチン抗体、抗DDK抗体であり、骨形成を促進させることになります。


- マンガライフサイエンス 第40回 場の生物学再論 破骨細胞物語より引用 -

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医院概要 医院概要

医院名 おおくぼ脳脊椎クリニック
診療科目 脳神経外科・内科
住所 茨城県土浦市並木5-4079-1
電話番号 029-832-8732
診療時間 日祝
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15:00~18:30 - -
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